お勧めアメコミ ④ Island / Monstress

オススメのインディーズ系アメコミ第4弾!まだまだいけます。今回はボリューム満点の2作品です!

⑥ ISLAND

編集: Brandon Graham, Emma Rios  出版:Image Comics

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コミックアーティストでありながらインディーズコミックスの発展にも力入れてきたブランドン・グラハムさん(Prophet、King Cityなど)とエマ・リオスさん(Pretty Deadlyなど)が編集している創作系アンソロジー。アメコミの中でも珍しいジャンルです。というよりも「アンソロジーは売れない」と定着している悪評で誰もやってくれなくなりました…

各号が、通常のアメコミリーフ同等どの長さのストーリーが3作品、その上エッセイやピンナップなどが掲載されていて、110p以上もの大ボリューム。紙で買うとサイズも27.5x18センチと通常のアメコミリーフよりでかい。そんな冒険をしてくれるグラハムさんとリオスさん大好きです。因みに両者の作品も掲載されています。

掲載されているコミックはメジャーパブリッシャーでも掲載されたことのある作家さんから、初めての作品の作家さんまでと幅広いです。内容はSF多めですが。エッセイも脳神経外科医から弁理士などと、一見コミックに関係の無い内容にまで及んでいます。

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アンソロジーですので、作品によっては自分の好みに合わない物を当然ありますが、一定の面白さがあって、グラハムさんもリオスさんも編集者としての才能は流石です。
イメージから発売中です。それぞれかなりのボリュームがあるのでTPBが出るかどうか… 参加者多数なので邦訳も厳しいかもです。 原書はKindle版やComixologyも出ていますが、紙版の出来がいいのでオススメです!

⑦ Monstress

原作:Marjorie Liu 作画:Sana Takeda 出版:Image Comics

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人間とArcanicと呼ばれる魔物の戦争が終息して数年が経った。戦争で母を失ったマイカは奴隷のフリをして、人間の主戦力でもある魔女Cumaeaの巣に潜入し、自分の中に潜んでいる化物の力で復讐にかかる…

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小説家としても定評のLiuさんと、日本人のアーティストのタケダサナさんによるファンタジー大作。スチームパンク匂の強い世界観ですが、機械よりも魔法が主役な印象を受けます。マイカちゃんの巨大な力の反面、大きな闇を抱えていて、かなりダークな場面が多いです。第2号まで発売済みですが、まだまだ謎が多くて、壮大な世界設定はさすが小説家ですね。

タケダ先生のアートはアメリカでも大注目される出来で、特に装飾のディテールがものすごく綺麗です。暖色系のパレットとテクスチャの使い方はかなり独特な世界観を作り出しています。(個人的に暖色系が大好きですので俺得ですね)
大物のクリエイターが絡んでいないタイトルなのに、初版が早速売り切れて重版がかかったのが人気を語ります。

指輪物語のようなファンタジー大作、少しダークな作品が好きな方にオススメです!

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第1号は71ページと通常の3倍のボリュームです!重版の入荷はもう少しかかるかなと思いますが、先日ブリスターコミックスさんにお邪魔した時にはまだ少し在庫がありましたので、気になった方は問い合わせてみてください。電子版はこちらにあります!

お勧め アメコミ ③ Death Vigil (Stjepan Sejic作)

皆様こんにちは、おすすめアメコミ3回めです。週1ペース!自分でも驚いています。

 

⑤ Death Vigil

原作: Stjepan Sejic 作画: Stjepan Sejic カラー: Stjepan Sejic  出版:Image Comics (Topcow)

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強盗を止めに入って犯人に撃ち殺されたサムが「リーパー」と呼ばれる死神の大将バーナデットに蘇らされ、彼女の元でネクロマンサーを撃退するようになる。ある日、サムは墓地で若いネクロマンサーと戦うことになるが、悪魔を召喚するために生け贄となった女性・クララの存在に気づく。彼女を救うにはもう、死神として蘇らせる道しか残されていなかった…

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めちゃくちゃゴシックです。クトゥルフみたいなやついっぱい出てきます。(すみません、詳しくないです…)クソ格好いいです。
なのに、非常にコミカルで笑える場面も多いです、デス・ヴィジル。主人公は全員一度死んだ人間ですが、だからこそ(?)皮肉ってジョーク言いふらしたりしながら悪と戦います。キャラがシンプルで人間臭くて、ステレオタイプだらけなのにすごく親しみやすい。

デス・ヴィジル(バーナデットが率いる死神の組織)のメンバーは自分の記憶から産まれた武器「ヴェルリッパー」を振るって悪のネクロマンサーと戦いますが、それぞれの能力がユニークでとても面白い。サムの場合はただのスコップと鶴嘴ですが、中にはあらゆるモンスターを呼び出せるカードや、壁の向こう側にいる敵を退治できる銃を用いる死神もいる。

そして何よりアートが素晴らしいです。全てステパン・セジッチさんが一人で描いていると思うと気が遠くなります…男性がすごく格好良くて(日本受けしそうな中性的イケメンもちゃんといますよ!)女の子がめちゃくちゃ可愛いor美人です!

ホラー?ですが、結構明るい場面が多いので、バフィー 〜恋する十字架のような作品が好きな方におすすめです。アートが本当に美しいので、眺めるだけでも十分価値はあると思います!

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第一章を収録したTPBが発売中です。売上が低迷していたようで(なんで?!)、一度続けるのを諦めたようですが、踏ん張ってあと1ストーリーを描くことを決心したそうです。インディーズ系のアメコミは売れないとアーティストに一切お金が入ってこないので(自主出版に近いです、出版社によっては発売が決まった時点で少し貸してくれるようですが)、気に入った方は次号発表されたらぜひプレオーダーして上げてください。ブリスターコミックスさんなどのアメコミショップに頼んだらできると思います。

今日は1タイトルのみ、すみません。また次回まで!

お勧めアメコミ② The Wicked + The Divine / Rocket Girl

皆様こんにちは。おすすめアメコミ第②回です。何回まで書けるのかな…
前回に続き、今回も「アメコミ」と言われるとすぐに思い浮かぶヒーロー物ではなく、ひと味変わったインディーズのコミックをご紹介します。

③ The Wicked + The Divine

原作: Kieron Gillen 作画: Jamie McKelvie カラー: Matt Wilson  出版:Image Comics

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90年に一度蘇り、たった2年で死んでいく12人の「神」。至って普通の人間として育ってきた彼らが突然覚醒し、人々を音楽(によく似た超能力)で魅了します。ロックスターのような彼らのファンであるローラがルシファーに気に入られ、バックステージに誘われたが、突然襲ってきた謎の敵に寄って、予想のつかない悲劇の渦に巻き込まれます!

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スーパーヒーロー物にちょっと似た「超能力者」の物語ですが、神が人々を「信者」にする力が「音楽」(のようなもの)なのがとても斬新。また、主人公のローラが事件の目撃者となることしかできない、なんの能力の無い一般人であることもとても引き込まれやすい理由の一つだと思います。そして何より、アートがとてもスタイリッシュでキャラデザインが魅力的!アメコミファンの間ではWicked +Divine(ちなみに「プラス」ではなく「アンド」です)のコスプレが密かな?ブームになっています!Tumblrなどで#Wicdivで検索するといいものがいっぱい出てきます、ネタバレ多し注意ですが。(公式のTumblrの方がいいかもです)

WicDivに出てくる「神」は様々な国の神話に出てくる者なので(上のページに写っているのはキリスト教のルシファー、そして日本の神道の天照大御神!)、神話に詳しい方でしたらたまらないと思います。そしてそれぞれ、実在の音楽スターの要素を色々と取り入れているので、音楽好きは、モデルを探しだすのがとても楽しいと思います(わかりやすいのはルシファーがデビッド・ボウイ、アマテラスがFlorence + The Machineのフローレンス・ウェルシュにインスパイアされているところ!)。GillenさんはWicDivをインスパイアしている曲をSpotifyのプレイリストにまとめていますので、聴きながらどの神の曲なのかを当てるのが最高に面白いです。(日本での視聴にはVPNが必要です)

また、以前Young Avengersを担当していたため、Gillen/McKelvieのチームをご存知の読者も多いのでは?そこで身につけた物はWicDivでもしっかり生きているので、YAファンにもおすすめです!

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The Wicked + The Divineは第1集第2集のTPBが発売済みです。ブリスターコミックスさんでも取り寄せ可能だと思いますので、気になる方はぜひ。テレビドラマ化の噂もありますので、もしかしたら邦訳の可能性も…??

④ Rocket Girl

原作: Brandon Montclare  作画: Amy Reeder 出版:Image Comics

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2013年の「現在」のニューヨークシティ警察、ティーンポリースに所属している15歳のダヨン。あらゆる不祥事の糸を引いている巨大組織・クィンタムメカニックを止めるために1986にタイムスリップします!が、過去に着いた途端に気絶してクィンタムメカニックのスタッフに助けられる。自分の「現在」を腐らせた過去の出来事を阻止しに来ただけのはずが、過去の警察官の無能さに腹を立て介入してヒーローとなったり、クィンタムメカニックのスタッフと仲良くなっちゃったり、タイムスリップ物ならではのハチャメチャなSFコメディの始まりです。

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ダイナミック。可愛い。カラフル。とにかくロケットガールのアートが素晴らしいです!以前Tokyopopで「OEL漫画」(最初から英語で書かれた日本式の漫画)を発表したことのあるReederさんの絵でMontclareさんの書く80年台のSFに出てきそうな世界がとても魅力的に表現されています。
80年台の僕らが思い描いていた2015年と今の「現実」のギャップは時々少し悲しくなりますよね…僕のジェットパックはどこだ!?

バック・トゥ・ザ・フューチャーなどのSFコメディや、80~90年代のアメリカのコメディ(ポリースアカデミーとか!)が好きな方なら絶対楽しめる作品です。また、ティーンの絶対的な正義感と、その時々生じる現実世界とのギャップもとてもわかり易く描かれていますので、YA向けの作品のファンでも面白いと思います。

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ロケットガールもTPBが発売済みなので気になった方はぜひチェックしてください!

それでは、また次回まで!

お勧めアメコミ① The Spire / Southern Cross

等ブログでは主に日本の同人誌をを紹介していますが、実はアメリカのコミックも昔から大好きです。
ご存知の読者もいるかもしれませんが、実は今、インディーズのアメコミが大変盛り上がっています!
なので、バットマンやスパイダーマンのようなスーパーヒーロー系コミックとは一味違う、創作系のアメコミの中から気に入った物ご紹介しやいと思います。

邦訳はインディーズだとかなり厳しいので、気になった方は秋葉原のコミックショップのブリスターコミックスさん、Comixologyなどで原書購入をご検討ください…

① The Spire
原作: Simon Spurrier  作画: Jeff Stokely カラー: Andre May 出版:BOOM!Studios (全8話予定)

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荒れ果てた砂漠に聳え立つ、山のように積み重なった町、ザ・スパイア。そこには人間と、スキューと呼ばれる改造人間が一緒に暮らしている。
人間に見下されていながらも、姿を消したスキューの一族の最後の一人のシャーが保安部隊の隊長を務める。
スパイアの最高指導者マドリエン男爵の死。彼と違ってスキューとの共存を良く思わない娘のターヴィが政権を引き継ごうとした日に、スパイアの低層に残虐な殺人事件が起こる。
シャーが早急な解決を迫られるが、一つの殺人と思われた事件にはスパイアの存続自体をも脅かす秘密が隠れている…

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とにかくザ・スパイアの世界観に圧倒されました!
高度な文明を匂わせる巨大な建造物の中で暮らしている人間とスキューはローテックで中世的とすら感じる暮らしをしているが、時々人間の持っている道具やスキューの能力から魔法のような力も漂ってきます。独特で不思議な言動、政治、日常がライターとアーティストの力によって本当にリアルに感じます。
Stokelyさんの作画はディテール豊富で人の表情も時にはリアルに、時にはかわいらしく描いています。何よりカラーとの相性が非常によく、バンドデシネのような世界観を描き出します。ファンタジー、そしてミステリーが好きな方におすすめです!8話完結の予定だし、邦訳の夢を見てもいいかも??

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② Southern Cross

原作: Becky Cloonan  作画: Andy Belanger カラー: Lee Loughridge 出版:Image Comics

自主出版の作品が有名で今年からやたら大物の新作を発表中のCloonanさんと、今回作画を担当することになったBelangerさんによるSFホラー作品。アメコミには意外と珍しいジャンルです。
行方不明の姉の跡を辿って、土星の衛生タイタンに向かう貨物船に乗り込んだアレックス。彼女をそこで待っていたのは同じ姉のケースを調べているらしい怪しい探偵の女性、アレックスを口説こうとする怪しいクルーのおっさん、謎だらけの怪しい船長、そして不思議にも彼女を呼んでいるような気がする、貨物船の主力エンジンの核… 

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昔からCloonanさんのファンなので、彼女がアートを担当していないことをすごく残念に思ってました…が、↑ このページを見て気が変わりました。Belangerさんの人物(特に顔)は独特で読み手を選ぶ気がしますが、こういった宇宙船の内外、メカやディテールの描き方が本当に素晴らしいです。カラーのパレットもダークで寒色が多いため、アレックスにだんだんと押し寄せてくる恐怖がよりリアルに感じる気もします。

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Southern Crossは現時点#5まで出版されていますが、アレックスの姉の行方と、アレックスに反応して暴走を始めた船のエンジンの正体がとても気になります。貨物宇宙船SFホラーと聞くとどうもEvent Horizonが思い浮かびますが、安心してください。こっちの方がよく出来てます。SFとホラー(幽霊系が近いかな?)好きな方におすすめです!

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以上、インディーズアメコミのおすすめの2作でした。
書こうと思えば多分20作品ぐらいはいけると思いますので、時間が許す限りまた紹介したいと思います!

Doujinshi Review, 15/12/06

  1. Nankyoku Sufferer by Kezuka Ryoichiro (circle: Sumika)

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Hayase is member of an exploratory mission into the Antarctic. Accompanied by a humanoid support android, she has ventured out away from their outpost, when their vehicle gets stuck in a crevasse.
With no way of returning to their base before dark, the two contemplate their options: Hayase cynically remarks on how easy it would be if the android only had the capability of flying back to the base, while the other half of the duo snidely points out she is built sturdily to deliver Hayase’s last words after she froze to death.
Fed up  with the light-hearted, chatty android, she storms off, only to be stopped in her tracks when she is saved from plunging to her death in another crevasse.

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Eventually, the two make their way to an abandoned outpost, where the android is able to fix up an old radio and call for help. “I’m not just chatty and useless after all, aren’t I?” she jests, only to be told to shut up and get back to work by Hayase, who rejects her offer of firing up her database of entertaining stories and informational lectures.
As night creeps in and the temperature starts to fall, Hayase gets visibly less comfortable in the barely-functional outpost, shivering even under layers of blankets. The android wanders off to look into the heating system, and comes back with thick wires attached to her gut, before shutting down her main systems and collapsing beside Hayase.

When she comes to only minutes later, she finds Hayase had different priorities for surviving the night…

Nankyoku Sufferer is a very brief, self-contained story without any explicit action or drama, but offers a great read through the main characters’ dry-humored dialogue. While Hayase obviously isn’t as uncomfortable as she pretends with having the ever-positive android around, her opposite betrays her light-hearted facade in moments of sheer capability when needed the most.
The theme of having a near-perfectly human android companion is of course one that has been explored time and again in manga, but Kezuka does a fantastic job of making his character relatable — she was obviously created with the goal of keeping her human companion sane in extreme environments, just as much as helping the technical aspects of the mission.

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The A5-sized book contains 20 pages of story with a beautiful matte cover of white. blue and black. Kezuka’s art shows a hugely consistent level of skill, from the framing and construction of the characters down to the panel layouts, on several occasions using an entire page for a silent establishing shot of the environment alone. The art style is right up my alley of course, with clear lines and attractive, highly expressive faces. The cover is what made me buy the book, however it feels like it belongs to a larger story set in the same world.
The story is consciously set in our world’s Antarctic, rather than a more fantastical environment. The author even goes so far as to include a full double page of specs for a polar exploration vehicle used in the story — an actual car used in the 60s. Great to see that kind of commitment to detail — of course it’s hard to verify the specifics when it comes to robotics.

The artist: Kezuka Ryoichiro on pixivtwitter
Nankyoku Sufferer at Comic Zin

That’s it for today! Hope you enjoyed the read.
In for more? Make sure to check the category for books I have previously reviewed.

As always, I welcome feedback and interaction, so I’d be happy if you liked/reblogged, or even commented. Questions and suggestions are welcome!