Rocketgirl


お勧めアメコミ② The Wicked + The Divine / Rocket Girl

皆様こんにちは。おすすめアメコミ第②回です。何回まで書けるのかな… 前回に続き、今回も「アメコミ」と言われるとすぐに思い浮かぶヒーロー物ではなく、ひと味変わったインディーズのコミックをご紹介します。 ③ The Wicked + The Divine 原作: Kieron Gillen 作画: Jamie McKelvie カラー: Matt Wilson  出版:Image Comics 90年に一度蘇り、たった2年で死んでいく12人の「神」。至って普通の人間として育ってきた彼らが突然覚醒し、人々を音楽(によく似た超能力)で魅了します。ロックスターのような彼らのファンであるローラがルシファーに気に入られ、バックステージに誘われたが、突然襲ってきた謎の敵に寄って、予想のつかない悲劇の渦に巻き込まれます! スーパーヒーロー物にちょっと似た「超能力者」の物語ですが、神が人々を「信者」にする力が「音楽」(のようなもの)なのがとても斬新。また、主人公のローラが事件の目撃者となることしかできない、なんの能力の無い一般人であることもとても引き込まれやすい理由の一つだと思います。そして何より、アートがとてもスタイリッシュでキャラデザインが魅力的!アメコミファンの間ではWicked +Divine(ちなみに「プラス」ではなく「アンド」です)のコスプレが密かな?ブームになっています!Tumblrなどで#Wicdivで検索するといいものがいっぱい出てきます、ネタバレ多し注意ですが。(公式のTumblrの方がいいかもです) WicDivに出てくる「神」は様々な国の神話に出てくる者なので(上のページに写っているのはキリスト教のルシファー、そして日本の神道の天照大御神!)、神話に詳しい方でしたらたまらないと思います。そしてそれぞれ、実在の音楽スターの要素を色々と取り入れているので、音楽好きは、モデルを探しだすのがとても楽しいと思います(わかりやすいのはルシファーがデビッド・ボウイ、アマテラスがFlorence + The Machineのフローレンス・ウェルシュにインスパイアされているところ!)。GillenさんはWicDivをインスパイアしている曲をSpotifyのプレイリストにまとめていますので、聴きながらどの神の曲なのかを当てるのが最高に面白いです。(日本での視聴にはVPNが必要です) また、以前Young Avengersを担当していたため、Gillen/McKelvieのチームをご存知の読者も多いのでは?そこで身につけた物はWicDivでもしっかり生きているので、YAファンにもおすすめです! The Wicked + The Divineは第1集、第2集のTPBが発売済みです。ブリスターコミックスさんでも取り寄せ可能だと思いますので、気になる方はぜひ。テレビドラマ化の噂もありますので、もしかしたら邦訳の可能性も…?? ④ Rocket Girl 原作: Brandon Montclare  作画: Amy Reeder 出版:Image Comics 2013年の「現在」のニューヨークシティ警察、ティーンポリースに所属している15歳のダヨン。あらゆる不祥事の糸を引いている巨大組織・クィンタムメカニックを止めるために1986にタイムスリップします!が、過去に着いた途端に気絶してクィンタムメカニックのスタッフに助けられる。自分の「現在」を腐らせた過去の出来事を阻止しに来ただけのはずが、過去の警察官の無能さに腹を立て介入してヒーローとなったり、クィンタムメカニックのスタッフと仲良くなっちゃったり、タイムスリップ物ならではのハチャメチャなSFコメディの始まりです。 ダイナミック。可愛い。カラフル。とにかくロケットガールのアートが素晴らしいです!以前Tokyopopで「OEL漫画」(最初から英語で書かれた日本式の漫画)を発表したことのあるReederさんの絵でMontclareさんの書く80年台のSFに出てきそうな世界がとても魅力的に表現されています。 80年台の僕らが思い描いていた2015年と今の「現実」のギャップは時々少し悲しくなりますよね…僕のジェットパックはどこだ!? バック・トゥ・ザ・フューチャーなどのSFコメディや、80~90年代のアメリカのコメディ(ポリースアカデミーとか!)が好きな方なら絶対楽しめる作品です。また、ティーンの絶対的な正義感と、その時々生じる現実世界とのギャップもとてもわかり易く描かれていますので、YA向けの作品のファンでも面白いと思います。 ロケットガールもTPBが発売済みなので気になった方はぜひチェックしてください! それでは、また次回まで!